【人間関係】第一印象は何秒で決まる? 出会って6、7秒が大切
学生や社会人の人、特に社会人になったばかりの頃は色々な人と会う機会がありますよね。特に初めて会う人に対しては直感的に
「この人苦手だなぁ……」
「この人好きかも!」
とか考えてしまいます。
また友人の嫌な一面を見たことで、その友人への評価が悪くなっていったなんてこともあります。
「自分はこの人にこういう評価を下した」「自分で考えて決めた」と思いがちですが、こういった他者への評価って意外と主体的に決めていなかったりするんです。
出会って6、7秒が大切
「第一印象は大事」ということをよく聞きます。新生活に向けてだったり、就活だったり、はたまたお見合いや街コンだったり。
そういう時の第一印象というのは非常に大切です。
実は人間にとって始めの6、7秒で感じた直感は、付き合い続けて半年経ってもほとんど変わらないという研究結果が出ているんです。
実験の例
学生にある動画を見せる。
- 6秒間の音無の動画を見せる。
- 内容は、教員が授業の準備をしているというもの。
- それを見た後、その教員の人物評価を行う。(1回目)
学生たちはその後半年間、その教員の授業を受ける。
- 半年後、その教員の評価を再度行う。(2回目)
この実験では教員に対して、
「真面目だ」「面白そう」「優しそう」
といった人物評価が多かったという結果になりました。そしてなんと1回目と2回目の評価は、ほとんど同じ結果になったんです!!
最初の評価の時は、音も無い、たった6秒間の動画を見ただけの評価です。なのに2回目も同じ結果になる、というのは驚きです。
この実験は”音無”で行われています。つまり、その人の動いている姿だけを見て、学生達は第一印象を決めたわけです。
しかもその後、実際に教師の授業を半年間受けても、評価は変わらないのです。
人間の第一印象の力というのはかなり強力で、そしてそれは動きと外見だけでも判断されてしまうんですね。
人物評価には環境の影響もある
人物評価には、物や環境といった外部の要因も影響してきます。
Ackermanらの実験
被験者にクリップボードを渡し、そこに記載されている項目で目の前の人物に得点をつける。
- この人はどれほど優しく見えますか?
- この人はどれほど怒りっぽく見えますか?
- この人はどれくらい重要人物ですか?
- この人はどれくらい慎重そうですか?
実はクリップボードには2種類あり、
2つの群に被験者を分けて行なっていたのです。
結果は、
重いクリップボードを渡された人ほど、目の前の人を「重要そう」「慎重そう」
と判断しました。
コーヒーの実験
同じ実験を次はコーヒーを持たせて行いました。
- ホットコーヒー
- アイスコーヒー
結果は、
ホットコーヒーを持った人程、対象の人物を「優しい」「温かみのある人」
と評価しました。
このように他者への評価というのは、実は環境の影響も受けやすいんです。
印象の変化について
また、ネガティブな評価の印象(悪印象)は、ポジティブな評価の印象(好印象)に比べて、覆しにく
く時間が経過しても持続しやすいことが分かっています。
一回でも嫌なところが見えると、そこばかり気にしてしまう事はありますよね。
また印象の残りやすさについては、ポジティブな行動が残りやすいと言われていますが、ネガティブな行動が見えてしまうと、それがその人独自のもの・個性だという風により重要視されてしまいます。
一回でもその人の悪い部分が見えたことで、その人への評価が変わってしまったなんてことはよくありますね。
「あの人の悪い部分を見て、少し嫌いになったかもしれない」
「なんだか嫌な部分ばかり気にしている」
こういう場合は、相手のネガティブな印象が重要視されているだけであり、その人のことが嫌いになったからというわけではなかったりします。
終わりに
「私はこの人への評価を自分で下した」と思いがちですが、実はそうでもないんですね。
「この人かっこいい」という印象は、実は環境の影響があるかもしれません。
「友達のこと嫌いになりそう……」という思いは、実は一回のネガティブな印象が大きく残っているだけだったりします。
他者への評価で悩むことがあったら、それは何かの環境の影響や心理効果によるものかもしれない、と見つめ直すことで解決できるかもしれませんね。